福留孝介、初めての五輪出場で活躍!
史上最年少19歳で野球日本代表選出
  高卒1年目選手に日本中が注目した!
「最初の打席だけ緊張した。楽しんで勉強できた最高の舞台」
− 福留選手が最初の国際大会として出場したアトランタ・オリンピックでの感想コメントである。
自らが選んだ道を自らの力で正解にしてしまう。史上最年少・弱冠19歳で、社会人・大学生の猛者が集結した日本代表チーム選出。そこには実力とともに日本国民の期待・願望が反映されての選出である。プレッシャーをもろともせず、むしろ、その緊張感を楽しむかのような初々しいプレー。そこには、底知れぬメンタルタフネスを感じる。フィールドに立つ姿には、ジャパン戦士として何の不足も感じさせなかった。
予選第2戦での王者キューバ戦では、代表1号となるライトスタンドへ弾丸ライナーのホームラン。また、予選第5戦のニカラグア戦では、とどめの2号ツーランホーマーを放つ。10代の野手が全ての試合でオールジャパンのレギュラー先発出場をし、見事、日本の銀メダル獲得へ貢献した。
この後の福留孝介は、社会人3年間在籍時、全日本不動の3番打者として活躍し、豊富な国際大会を経験するが、この1996年に出場した「アトランタ五輪」は彼にとって、かけがえのない財産となったに違いない。


アトランタ五輪 銀メダル獲得の全日本陣容
-野手-
当時所属 寸評 進路
1 24 高 林 日本石油 驚異の核弾頭。アマ屈指の1番打者。 .184本2点9 社会人残留
2 8 西 郷 三菱自動車川崎 安打製造器。美しい打撃で大活躍。 .481本1点5 社会人残留
3 27 三菱自動車岡崎 さすがの勝負強さ。3番務め大活躍。 .421本4点11 オリックス
4 3 松 中 新日鉄君津 凄い4番。決勝で奇跡の同点満塁弾。 .333本5点16 ダイエー
5 9 大久保 日本石油 全日本正捕手。勝負強い打撃で活躍。 .289本2点10 近鉄
6 25 佐 藤 プリンスホテル 巨漢大砲は元全日本4番。 .364本2点7 社会人残留
7 7 井 口 青山学院大 「20世紀最後の大物」と評判の逸材。 .429本2点7 ダイエー
8 4 今 岡 東洋大 「チャンドラーキング」と呼ばれ活躍。 .435本2点7 阪神
9 1 福 留 日本生命 日本中注目の怪物が最年少で選出。 .281本2点8 中日
21 黒 須 日産自動車 正捕手の実力あったリザーブ捕手。 .000本0点0 社会人残留
10 中 村 NTT東京 走力が売り。名キャプテンぶり。 .222本0点0 社会人残留
2 野 島 日本石油 守備固めで堅実なプレー。 .333本0点1 社会人残留
6 桑 元 三菱自動車川崎 打力ある控え内野手。 .167本0点1 社会人残留

-投手-
当時所属 寸評 進路
19 杉 浦 日本生命 五輪3大会出場のアマ球界屈指エース。精神的支柱。 社会人残留
15 川 村 日本石油 エース級の活躍をみせた右本格派右腕。急成長。 横浜
18 NTT東海 チーム最年長右腕。ベテランの持ち味を発揮。 社会人残留
14 木 村 東芝 右アンダースローの都市対抗優勝投手。 社会人残留
11 三 沢 早稲田大 絶妙のコントロールが信条の6大学エース。 巨人−近鉄
12 森 中 東海大 左腕。馬力ある投球でキューバ打線を翻弄。 横浜
16 小 野 日本石油 大物左腕として満を持して出場もほろ苦い経験も。 巨人−近鉄

■日本 大会対戦成績+福留孝介全打席成績 (全試合スタメン出場)
日程 試合 対戦相手 日本スコア 福留 通算率 @ A B C D
7/20 予選(1) オランダ ○ 12-2 9番三塁 4 1 2 0 0 0 .500 左飛 左安 中安 一ゴ ---
7/21 予選(2) キューバ ●  7-8 9番三塁 4 1 1 1 1 0 .375 三振 右本 二失 遊直 ---
7/23 予選(3) オーストラリア ●  6-9 9番三塁 4 0 0 0 0 0 .250 三振 中飛 二ゴ 二直 ---
7/25 予選(4) アメリカ ● 5-15 8番三塁 2 0 0 0 0 0 .214 三振 三振 --- --- ---
7/26 予選(5) ニカラグア ○ 13-6 9番三塁 5 2 1 3 1 0 .211 二ゴ 遊飛 中本 左失 三邪
7/29 予選(6) 韓国 ○ 14-4 9番三塁 4 2 3 3 0 0 .304 三振 左安 左安 右安 ---
7/30 予選(7) イタリア ○ 12-1 9番三塁 3 0 1 1 0 0 .308 二選 遊ゴ 中安 --- ---
8/1 準決勝 アメリカ ○ 11-2 9番三塁 4 1 1 0 0 0 .300 ニゴ 三振 左飛 中安 ---
8/2 決勝 キューバ ● 9-13 9番三塁 2 1 0 0 0 0 .281 三邪 死球 四球 三振 ---
日本準優勝(銀メダル) 全9戦5勝4敗 通算32打数9安打8得点 (全9試合)打率.281 2本塁打 8打点



アトランタの野手陣 プロ入り後も一流!(タイトルホルダー目白押し)
福 留
外野手
日本生命−中日 首位打者1
ベストナイン、ゴールデングラブ
最高打率歴 .343 最多HR歴 34 最多打点歴 96
松 中
一塁手
新日鉄君津−福岡(ダイエー/ソフトバンク) 三冠王1(首位打者1,本塁打王1,打点王2),MVP2
ベストナイン、ゴールデングラブ
最高打率歴 .344 最多HR歴 44 最多打点歴 123

外野手
三菱自動車岡崎−オリックス 盗塁王1
ベストナイン、ゴールデングラブ
最高打率歴 .350 最多HR歴 21 最多打点歴 92
井 口
二塁手
青山学院大−福岡ダイエー−Wソックス 盗塁王2
ベストナイン、ゴールデングラブ
最高打率歴 .340 最多HR歴 27 最多打点歴 109
今 岡
三塁
東洋大−阪神 首位打者1
ベストナイン、ゴールデングラブ
最高打率歴 .340 最多HR歴 28 最多打点歴 83

アトランタ五輪戦評:
キューバとの壮絶な打撃戦も届かず…銀メダル
    −杉浦、松中、谷、井口、今岡、福留たちが涙
過去3回の五輪で、金、銀、銅とすべてメダルにからむ活躍を見せていた日本代表。アトランタ五輪では、後年、プロ野球に入団しても活躍する“つわもの”たちがメンバーに名を連ね、ロサンゼルス大会以来3大会ぶりの金メダルを目指して戦った。

 投手陣は三沢興一、川村丈夫、森中聖雄、小野仁ら、プロでも活躍した選手に加え、バルセロナ五輪銅メダルの立役者で“ミスター社会人”と言われた杉浦正則を含む7人。野手陣には、大学ナンバーワンスラッガー井口忠仁、井口と双璧と言われた強打者・今岡誠の大学生に、社会人屈指の長距離砲・松中信彦、走攻守三拍子そろった谷佳知、頭脳的プレーと強打が持ち味の大久保秀昭、若干19歳の若き主砲・福留孝介ら、そうそうたる陣容で臨んだ。

 しかし日本は、予選リーグからぎりぎりの戦いを強いられる。初戦のオランダ戦こそ高林孝行、大久保、西郷泰之の3本塁打などで12点を奪い、12対2のコールド勝ちと好スタートを切った。が、第2戦のキューバに延長10回サヨナラ負けを喫すると、歯車が狂い始めた。続く豪州に6対9と惨敗。第4戦の米国戦では5対15でコールド負け、とまさかの3連敗。予選リーグ突破には1敗もできないがけっぷちの状態となった。

 3大会連続メダルを取っている“野球大国”日本の予選落ちは許されない。ここから打線が奮起した日本は、ニカラグア戦を13対6、韓国戦を14対4、オランダ戦を12対1と3連勝で乗り切り、何とか予選リーグ3位で決勝リーグ進出を決めた。

 準決勝の相手は、予選リーグでコールド負けした米国。先発のベテラン杉浦が変化球と速球の制球良く、巧みな投球術を見せ、6回途中まで2失点の好投。杉浦の好投に打線がこたえ、大久保、今岡、高林、松中、井口の5本塁打を含む15長短打で11対2と米国を粉砕した。

 3大会ぶりの金メダルに王手をかけた日本に立ちふさがったのが、オマール・リナレス、オレステス・キンデランら強打者をそろえた世界最強のキューバだった。打倒キューバに執念を燃やし、アマチュア1本で五輪にかけた杉浦を連投ながら先発に立てる。しかし、予選8試合で32本塁打、105得点の脅威的なキューバの強打が、杉浦の闘志をも上回った……。杉浦は、リナレスに3点本塁打を浴びるなど、序盤でKOされる。打撃陣が、松中の満塁本塁打や谷の2本塁打などで食い下がるが、木村重太郎、森中、森昌彦、三沢といった中継ぎ陣が合計8本塁打を浴びて13失点。投手陣がキューバの猛打を抑えきれず、9対13で銀メダルに終わった。

●野球五輪代表選手の略歴(年齢などは当時のデータ。)

▽投手
杉浦 正則(すぎうら・まさのり)
バルセロナ五輪銅メダル。同大出、日本生命。180cm80kg。右投右打。28歳。和歌山県出身。

森 昌彦(もり・まさひこ)
95年五輪アジア地区最終予選優勝。亜大出、NTT東海。185cm76kg。右投右打。30歳。三重県出身。

川村 丈夫(かわむら・たけお)
93年アジア選手権優勝。立大出、日本石油。181cm79kg。右げ右打。24歳。神奈川県出身。

木村 重太郎(きむら・じゅうたろう)
95年五輪アジア地区最終予選優勝。熊本・熊本工高出、東芝。174cm69kg。右投右打。28歳。熊本県出身。

小野 仁(おの・ひとし)
95年五輪アジア地区最終予選優勝。秋田・秋田経法大付高出、日本石油。187cm77kg。左投左打。19歳。秋田県出身。

森中 聖雄(もりなか・まさお)
95年ユニバーシアード福岡大会銅メダル。東海大。175cm80kg。左投左打。22歳。静岡県出身。

三沢 興一(みさわ・こういち)
95年ユニバーシアード福岡大会銅メダル。早大。177cm82kg。右投右打。22歳。埼玉県出身。

▽捕手
大久保 秀昭(おおくぼ・ひであき)
94年世界選手権3位。慶大出、日本石油。176cm78kg。右投左打。26歳。神奈川県出身。

黒須 隆(くろす・たかし)
95年五輪アジア地区最終予選優勝。東洋大出、日産自動車。177cm80kg。右投右打。27歳。埼玉県出身。

▽内野手

松中 信彦(まつなか・のぶひこ)
95年五輪アジア地区最終予選優勝。熊本・八代一高出、新日鉄君津。182cm86kg。左投左打。22歳。熊本県出身。

野島 正弘(のじま・まさひろ)
95年インタコンチネンタル2位。東北福祉大出、日本石油。173cm70kg。右投右打。24歳。埼玉県出身。

桑元 孝雄(くわもと・たかお)
95年都市対抗ベストナイン。神奈川・武相高出、三菱自動車川崎。174cm68kg。右投右打。26歳。神奈川県出身。

井口 忠仁(いぐち・ただひと)
通算24本塁打で東都大学リーグ記録を更新中。青学大。177cm78kg。右投右打。21歳。東京都出身。現在は資仁

今岡 誠(いまおか・まこと)
95年五輪アジア地区最終予選優勝。東洋大。183cm72kg。右投右打。21歳。大阪府出身。

福留 孝介(ふくどめ・こうすけ)
大阪・PL学園で95年夏の甲子園ベスト8。日本生命。182cm84kg。右投左打。19歳。鹿児島県出身。

▽外野手

中村 大伸(なかむら・だいしん)
94年世界選手権3位。日体大出、NTT東京。175cm70kg。左投左打。30歳。神奈川県出身。

高林 孝行(たかばやし・たかゆき)
94年世界選手権3位。立大出、日本石油。172cm78kg。右投右打。28歳。東京都出身。

佐藤 友昭(さとう・ともあき)
94年世界選手権3位。中大出、プリンスホテル。184cm90kg。左投左打。27歳。愛知県出身。

谷 佳知(たに・よしとも)
95年五輪アジア地区最終予選優勝。大商大出、三菱自動車岡崎。175cm75kg。右投右打。23歳。大阪府出身。

西郷 泰之(さいごう・やすゆき)
95年五輪アジア地区最終予選優勝。東京・日本学園高出、三菱自動車川崎。185cm79kg。左投左打。23歳。東京都出身。


FUKUDOME.COM TOPへ戻る

Copyright (C) 1999-2007 fukudome.com. All Rights Reserved.